岩手県立美術館岩手県立美術館では、明治から現代にいたる岩手ゆかりの作家たちの作品を収集し、季節ごとに年4回展示替えを行いながら、常設展示室、萬鐵五郎(よろず・てつごろう)展示室、松本竣介(まつもと・しゅんすけ)・舟越保武(ふなこし・やすたけ)展示室の3室でコレクションを公開しています。
今期の特集では、戦後岩手を代表する前衛美術家、村上善男(むらかみ・よしお)の没後20年を記念して、その生涯の仕事をご紹介します。1933(昭和8)年、盛岡市の染物屋に生まれた村上は、岩手大学在学中に二科展に入選した後、1957(昭和32)年、中学校教諭として赴任した岩手町で、美術団体「エコール・ド・エヌ」を結成します。1961(昭和36)年に、盛岡へ転勤すると、注射針を使ったアッサンブラージュ作品を発表する傍ら、大宮政郎(おおみや・まさお)、柵山龍司(さくやま・りゅうじ)らと、「集団N39」を立ち上げ、前衛美術運動を展開しました。その後、1968(昭和43)年には宮城県仙台市に、1982(昭和57)年に、青森県弘前市へと居を移した村上は、「気象図シリーズ」や、「釘打ちシリーズ」など、自身の住まう土地にインスピレーションを受けた作品を制作。晩年は花巻市にアトリエを構えました。「民俗の最深部は現代美術の最前線に通底する」という信念のもと、東北の風土の中で創作活動を続けた村上善男の多彩な表現をお楽しみください。
このほか常設展示室では、岩手の近代洋画発展に大きな役割を果たした清水七太郎(しみず・しちたろう)や五味清吉(ごみ・せいきち)らの作品から、最初期の女流洋画家である、深澤紅子(ふかざわ・こうこ)、橋本花(はしもと・はな)、さらには小野隆生(おの・たかお)や、宇田義久(うだ・よしひさ)といった、現在も活躍中の現代作家の作品をご覧いただきます。また工芸コーナーでは、伝統的な秀衡塗や浄法寺塗に現代的なデザインを盛り込んだ漆芸家、古関六平(こせき・ろくへい)の作品を展示します。
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