SHIZUOKAせかい演劇祭 ロゴ
国内外の優れた舞台芸術を紹介する「SHIZUOKAせかい演劇祭」は、今年で27回目を迎える。これまで「Shizuoka春の芸術祭」「ふじのくに⇄せかい演劇祭」と名称を変えながら続いてきた本芸術祭は、「静岡」と「せかい」がひとつにつながる祝祭の場として、2025年から現在の名称のもと新たな歩みを始めた。

2026年の演劇祭では、劇作家・演出家の石神夏希がアーティスティック・ディレクターに就任し、すべてのプログラムを統括する。石神は劇場という場所について、「都市に似ている」と語る。続けて、「本当は似ているというより、似ていてほしい、と願っているのです。劇場が都市に。そして都市が劇場に。目を伏せて乗り込む電車で、互いに聞こえないふりをする街角で。たまたま隣り合った誰かとの間に、そんな瞬間が生まれたらいいのに」と話す。
国内外の都市で地域の人々とともにアートプロジェクトを立ち上げてきた実績を持つ石神は、その経験を生かし、地域に根ざした創作や、作品の「完成形」だけでなく創作のプロセスにも触れられる機会を、演劇祭のなかに取り入れる試みを行っている。

さらに注目されるのが、国際交流基金との3年間にわたる共同事業「BIOTOPE」の始動だ。アジア地域のアーティストや舞台芸術のネットワークを育てる新たな試みで、本演劇祭でもその成果の一端が披露される予定だ。
ラインアップには、ヨーロッパやアジアから多彩な作品が集結。社会を鋭く映し出す演劇、身体の深層を探るダンス、ジャンルを越境するパフォーマンスなど、様々な視点から「せかい」を想像する作品が静岡に集う。それぞれの舞台が響き合うことで、複数の視点が交差し、いまを生きる私たちの現在地が浮かび上がる。見終わったあと、誰かと語り合いたくなる、そんな対話を生み出す、開かれた祝祭の場を目指す。